markdadaoの日記

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「戦場体験キャラバン」を読んで

ちょうど母と同年代(大正10年前後)の元兵士たちの体験談を、そのまま(著者は「無色」と表現)手を加えず2,500人余りから24人を抽出し、記録として一冊の本にしている。出版は彩流社で編著は中田順子・田所智子。戦場体験史料館は以下の通り。


戦場体験史料館 museum of memories on the battlefields WW2

 

私の父は戦時中、第九陸軍技術研究所に勤務しアメリカ本土攻撃の風船爆弾や、超音波で飛来する敵機を撃ち落とす研究などをしていたと、生前私は聞いた覚えがある。この第九陸軍技術研究所は登戸研究所と呼ばれていたが、父は第七陸軍研究所のある百人町に生まれ住んでおり、周囲には戸山ヶ原があり、陸軍の軍事機関が点在しこの地名は良く話に上った。戦争末期に外地派遣が決まったようだが、その頃は敗戦を確信しており、行かずに終戦を迎えた。直後サーベルや徽章などすぐに捨てたと言っていた。

その父の戦友達が良く家に遊びにきていたが、戦地でのことは子供の私の耳には入ることはなかった。私たちは中井の傍に住んでおり、路地では白い服を着た傷痍軍人を見ることがあった。今思うに、もう少し戦争当時の話を聞いておきたかった。

この戦場体験キャラバン活動を行っている「戦場体験放映保存の会」は、高齢になった元兵士の話を数多く記録し、内容の整合性を確認しながら戦争の事実を記録にとどめている。更に彼らは私たちより若い世代で、もちろん戦争を知らない世代がこのような活動をすることが、近隣国家との未来を創造し、平和な社会を維持する力となろう。

因に会は時代の証言者や絵画、日記や写真も集めている。

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