markdadaoの日記

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「ジョナサン・アイブ」を読んで その2

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「新生アップルの巨大なチェックリスト」の章から

アップルの新製品開発プロセス、すなわちANPP( Apple New Product Process)は、アップル成功のひとつの鍵となっていく。

すべての製品の各段階で全員がすべきことが事細かに描かれ、ハードウェア、ソフトウェア、オペレーション、財務、マーケッティングその上発売後の修理や問題処理までそれぞれの部署への指示が網羅されている。{p200}

このANPPはアップル復帰後のジョブスが完成させ、その特徴は組織的な記録作りだと言う。アップルの飛躍の土台は、サプライチェーンマネージメントのような、会社の仕組みがあった。

ジョニーは言う。「僕らほど野心的になると、従来の開発方法ではだめなんだ。みんなが協力し一体となって製品を開発しなければ、複雑な問題を解決できない」{p202}

彼らはフォーカスグループや市場調査を使わず、ブレインストーミングでアイデアを生み出していた。「フォーカスグループはやらない。アイデアを出すのはデザイナーの仕事だから」とジョニーは言う。「明日の可能性に触れる機会のない人たちに、未来のデザインについて聞くこと自体が的外れだよ」{p205}

 デザインへのアプローチは、通常の発想とは異次元なところにある。

 

iPod」の章から

「絞り込むこと、機能を付けすぎないことが大切だった。複雑にしていれば、失敗していただろう。なにができるかよりも、さまざまなものを取り除くことが鍵だった」

少なくともはじめにユーザーや批評家を驚かせたのは、電源ボタンがないことだった。どこを押しても電源が入り、しばらく使わないと電源が切れるという仕掛けは、天才ミニマリストのなせる技だった。{p251}

電池扉と、デバイスの内蔵部と電池室を仕切る内側の壁が付いていた。ジョニーはそのどちらも削った。その結果、製品はより小型でまとまりの良いものになった。アップルの調査では、電池を交換すると答える人でさえ、実は誰も交換していないことがすでにわかっていた。{p252}

パーツが少ないことは製造誤差が少ないことを意味した(部品をぴったりつなぎ合わせる場合、多少の誤差を許容しなければならない。部品が少なければつなぎの問題も減る)。{p252}

白はジョニーのアイデアだった。・・・・・白はまた、機械がユーザーを支配しないというメッセージでもあった。「専門的」で「オタク」なイメージの黒い電子部品とは違っていた。{p253}

それまでの梱包箱は運送用にデザインされていた。だがiPadのパッケージは運送会社ではなく顧客に注目して作られた。{p255}

 次回に続く