「偉大な製品を生み出すアップルの天才デザイナー」とサブタイトルになっているように、アップルのデザインを牽引して来た「ジョナサン・アイブ」に強い関心があり通読した。
自分にとって印象的であった、1997年に「20周年記念マック」がマーケッティングの戦略ミスによる大失敗だったとは。ジョナサン(ジョニー)をアップルにスカウトし、この20周年記念マックの開発リーダーであったブルーナーは「あのデザインは6,7年後のトレンドを先取りしていた」と言っている。そして私たちはその歴史と未来を知っている。
twentieth anniversary Macintosh - markdadaoの日記
読み進めるにしたがい、感じるところを下記の通りピックアップする。
・・・・シンプルを極めたいジョブスの哲学からくる決断だった。その後の製品はすべてこの哲学に基づいて開発されるようになる。ジョニーもまた、「シンプルこそ究極の洗練だ」というジョブスの教義を追求していった。{p117}
ジョブスにとって、デザインはみかけ以上のものだった。「外見と感覚だけじゃないんだ。デザインはものの働きなんだよ」{p152}
見た目で差をつけようとしたのではなく、デザイン工程が進化した結果、自然に外見も変わったのだとジョニーは反論した。「デザインを差別化の手段だと思っている人が多すぎる。全く嫌になるよ。それは企業側の見方だ。顧客や消費者の視点じゃない。僕たちの目標は差別化じゃなくて、これからも先も人に愛される製品を創ることだとわかってほしい。差別化はその結果なのだ」
ジョブスは語っている「たいていの人は、デザインをお化粧と勘違いしている」
「・・・デザインとは人間の創造物の中心にある魂のようなものだ」
{p193}
次回に続く