markdadaoの日記

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Matchless Hot Box用電源トランスの再生修理

Matchless Hot Box用電源トランスの再製依頼を受けた。仕様書も回路図も無い為、現品をいつものように解体調査した。

見積もり予測と大幅に違い延べ4日間解体に時間がかかってしまった。B電源回路が絶縁不良でワニスと銅線被覆が溶けてしまい、シンナーとピンセットで悪戦苦闘して線径と巻数を特定した。

アメリカ製のトランスのためなのか、金具もボビンも日本では同等品がないため現物を使う事とした。これはお客様が再度取り付ける際、ピッチが合わなくなる事を避ける為である。

ようやく再生し、電源を入れてみたのだが無負荷時入力電流が高い。入力は100Vと120Vのタップが出ており、日本では当然100Vタップを使う訳ので、徐々に電圧を上げて行くと70Vを過ぎてから電流値が急上昇して行く。

トランスを小さくするため(コスト低減のため?)無理をした設計をしている。これではトランスの寿命を短くする。このユーザーは同等品との事で、リスクコメントも入れて納入した。アメリカのトランス屋さんか、そのアンプメーカーの意図なのか、このようなトランスを市場に出す事に心配はしなかったのかな?このような励磁電流が高いトランスは電気代もかかるので、トランスを安く犠牲にしてもエコにはならない。

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