markdadaoの日記

真空管アンプ用トランス、スマホ用衝撃吸収フィルム、RC、政治経済、読後感想など

「日本統治時代の台湾」を読んで

PHP出版で台湾の陳柔縉の著による。サブタイトル「台湾が日本だった時代」の50年間、学校ではこのような日本の近代史は教わらなかった。
約40年前に一度だけ訪れた事がある台湾ではあるが、ライチがとても美味しく、町の果物屋まで行って房ごと買って来てホテルで食べた思い出がある。もちろん国立故宮博物館の宝物を見て、船のスペースを確保する為に中国本土へ国民軍の兵士を置いて来ても大事にした美術品の素晴らしさに驚いた。
何故かたわいもない思い出がもう一つ。道案内のおじさんがタクシーの釣り銭がないため、屋台の飲み物を買ってお金を崩し支払ったまでは良いのだが、飲みたくないジュースを無理して飲んでいる姿が思い出される。当時の車はほとんどがサイドガラスに黒のフィルムを貼っていた。日本ではまだ黒いフィルムには馴染みがなかった。
この著者の陳柔縉は戦後生まれで、当時を知る人々の生き証人からまとめあげたエピソード集で写真を含め日本と台湾を舞台に記載されている。
日本が植民地化した台湾との歴史があるが、この本を読むにつれ日本人と台湾人の人間としての触れ合いを感じてならない。
私の友人の呉さんは日本に帰化して立派にビジネスをやっている。昨日台湾から帰って来た彼に今朝電話した。息子さんは現地の携帯電話の会社に勤めているようだ。彼と一緒に中国本土へ旅行に行ったり、少しだけ一緒にビジネスをやったりしたことがある。そのような付き合いの中で、台湾の友人というよりはビジネスに前向きな仲間としての触れ合いを感じている。