markdadaoの日記

真空管アンプ用トランス、スマホ用衝撃吸収フィルム、RC、政治経済、読後感想など

語り部

日本のロータリアンは全員が「ロータリーの友」という機関誌を購読している。今月号(8月号)の基調講演集は和歌山県串本町の田嶋町長の「日本・トルコ友好の礎」が掲載されています。多少の耳学問より明治時代、串本町沖合でのトルコの軍艦エルトゥールル号座礁の犠牲者救出の美談は知っていた。
しかし、文末に書かれていた、トルコ側から救援した3人の医師への費用支払いの申し出に対し「断わりと、遭難した人への義捐金に」との内容は初めて知った。そして明治の日本人の気骨に感銘する。
講演者が「歴史というのは、語らなければ消えてしまう。残すべき歴史は誰かが語り継いでいかなければならない。後世の財産として、残してゆかなければならない」と言うことは同感で、広島原爆の語り部や東京大空襲の語り部は今も平和を伝えることに話題となっている。生き証人の言葉や何よりも重みがあるのだが、年月が事実を薄めさせる。しかし、ITの恩恵でYouTubeやブログなど、語り部としての役割に貢献している。

私見ではエルトゥールル号の事故原因の一つとして、寄港地横浜でのコレラの発生もあったのだろうが、トップの判断ミス(皇帝・アブデュルハミト2世の台風にも関わらず、強行出航命令)であったと考える。偶然なのか、またはプロパガンダとして日本人の美談にすり替え、己の非は結果的には打ち消されたのが事実である。
時の為政者の都合で歴史の真実として両国とも、例えば教科書に載せたり、または省いたりしている。私たちは歴史の善し悪しより事実に着目し、時代の都合による真実とやらには振り回されないようにしたい。論点がズレてきたのでここらでやめる。