markdadaoの日記

真空管アンプ用トランス、スマホ用衝撃吸収フィルム、RC、政治経済、読後感想など

時代に翻弄され

参議院選挙で自民党はアベノミックスの経済回復の期待感から大量の票を手に入れた。既に自動車メーカーや輸出業界では増益の上方修正をしている。
今日は神奈川のお客さんを訪問したが、青息吐息で経済回復は中小企業にはまだまだ浸透していない。ましてや材料や部品を海外から調達しているため、為替差損として約2割のコストアップとなっている。
日本企業の経済構造は輸出・輸入・内需と3分割されているという資料を見た事がある。円安に振れれば輸出力が高まり収益も良くなるが、仕入れている輸入材はその分値上がりしコストアップとなる。持論だが、各国が為替介入せず市場を自由化させた場合、円高になれば日本は他国に比べ国力があるからだと考える。
最近、輸入品の為替差損を価格転嫁する企業が増えてきている。しかし力のない企業は値上げ出来ず利益を圧迫するか、市場を撤退する事になる。ましてや来年の消費税のアップ分を、客先から間接的に吸収させられることも想定する。
「日本はモノ作りのおかげで世界のトップクラスにいる。それを支えているのが中小企業の製造業である」と誉め称えるが、日常の生活はとても贅沢ができるほど余裕が無い。そして、もがいて芥川龍之介の「蜘蛛の糸」ではないが、這い上がろうとしても全員で奈落の底へ落ちてしまう。反面、時代に適合した企業(IT企業や老人ホーム関連等)は一般的には高い収益を上げ時代を謳歌している。
民主党政権は収益の上がらない企業の人員整理を抑制するために、雇用調整金という制度を作った。自民党政権は利益の上がらない企業はいつまでも現状に固執するのではなく、新しい産業に転換し雇用を確保させようといっている。そのための新しい産業への教育支援資金を提供するという。しかし、昨日までハンマーでトンカチやっていた人にコンピューターの前に座らせ、プログラムソフトを作れと言うのは無理がある。
明治維新となり幕藩体制が解体し、悲哀を受けた侍はたくさんいたという。しかし、刃物を振り回していた侍が床屋になり商売繁盛した人もいた。無役の侍のなかには暇に任せて小刀で竹を削り番傘、爪楊枝や歯ブラシのようなものを作る内職で結構手が器用だったのではないか。職業にこだわらず、何が自分の特徴か見極め仕事をすれば社会に役立ち、喰えるようになる。
PCの売れ行きが落ち、スマホが伸びている。エンジン車よりモーター駆動の車が増えている。新聞のチラシが激減し、ネット広告が伸びている。個人商店よりコンビニエンスストアーへ客が流れている。年寄りが家庭からいなくなり、老人ホームに集まる。私など凡人は「時代を読む」なんていうことは出来ないが、時代に翻弄されても意地を張らず流れにまかせ、人から頼まれた事を愚直にやっていると生き延びる事が出来るのかな?