markdadaoの日記

真空管アンプ用トランス、スマホ用衝撃吸収フィルム、RC、政治経済、読後感想など

為替変動の陰と陽

中国在住の友人から電話があり、日本への輸出が急激な円安のために2割以上のコストダウン要請があるとのこと。中国で2割もコストダウンする事は尋常ではない。加工費比率が少なく、原価は材料費がほとんどを占めているので、一企業だけの努力では簡単には値段が下がらない。
先月はタイ在住の友人からタイバーツが上がっているので、日本への輸出ビジネスは逆ざやになると嘆いていた。うちも輸入品のコストアップを吸収するために客先と交渉中であるが、日本国内で消化する商品の値上げは難しい。円建てで購入している輸入品は、相手国の儲けが激減している。従って物流コストを一部負担をしなければならない事もある。しかしこの商品も内需のために値上げがしづらい。
最近は輸入飼料や食品及び原油などのエネルギー材も採算悪化から値上げ圧力が高まっている。力のあるところや寡占化されているものはすでに値上げが始まっている。しかし、マスコミは輸出産業である自動車関連や電機メーカーの好決算を発表しているが、実際勤労者の所得が向上しているのか疑問である。更には輸入品関連の値上げにより可処分所得の足が引っ張られるのではないだろうか?
世界の余剰マネーによる為替変動はどちらに振れてもいたしかたないが、急激な変化は我々庶民には好ましくない。その基準にあわせるために、経済構造の変化がすぐにはついてゆけないからだ。それでもアベノミックスや日銀による異常な程の市中への余剰資金の放出により、円安誘導ともとれる輸出力向上策は7月21日の参議院選挙までは続けるのだろう。従って円安と連動して外国人投資家のリードで株価が引き上げられたものが、6月末に向け外国人の売り越しが始まっているのだが、政府は何としてでも株価を支えるだろう。そこでまた儲けは外国人に持ってゆかれる。
基本的にはその国の力が通貨に現れると考える。国の力とは経済だけではなく、地政学的な軍事や外交を含めた政治力。従っていたずらに作為的であってはならない。市場の自由を尊重するべきではなかろうか?