markdadaoの日記

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富岡製糸場と工女


光文社から河合敦監修による「明治日本」を読んでいたら、第7章の「新時代に登場した職業」で工女の事が書かれていた。そのサブタイトルは「日本の産業革命を支えた女性たちの過酷な労働」
そして、旧官営富岡製糸場の写真と次のコメントが添えられていた。「産業革命期、女性は貴重な労働力となった。しかし、その労働環境は過酷な物だった(富岡製糸場提供)」
私は以前より、元富岡市市史編纂室長だった今井幹夫先生や元富岡市市長の今井清二郎先輩から、富岡製糸場で働く工女の労働環境は近代産業の先駆けとなったと聞いていた。創立当初は工女が集まらず、初代工場長 尾高惇忠の娘 ゆうや士族の娘さんなどが率先して応募したのを機に集まったとのこと。そして和田英の「富岡日記」などからも、当時の工女の有様がわかり、とても過酷な就労環境とは思えない。
今日クラブ例会で今井先輩に話を聞いた。「診療室も完備しており、たこ部屋の存在もない」と明言されていた。
河合敦さんはテレビでも著名な歴史作家だが、このような誤解をされる記載は非常に残念である。ユネスコ世界遺産登録を待ちわびる、地元に住む一市民として訂正を求めたい。レンガの建物は威風堂々としているのだが、それよりも近代日本の産業革命のシンボル(週休制などを取り入れた)として価値を感じている。