今度はインフルエンザの事ですが、私など高熱イコールインフルエンザと考えておりましたが、実際は違う事を知りました。
以下に詳細が書かれております。
石井医院院長よりのお読みください 2012.12.7
インフルエンザのこと
1. 「インフルエンザは絶対に高熱が出る」とは限りません!
今年の11月2日より私は自身の診療所に「風邪をひいたみたいです」と受診した患者62名の方を対象にインフルエンザの簡易検査を施行させてもらいました。検査を依頼させていただいた患者さんは原則,性別・年齢・発熱の有無は関係なくあえて問診での臨床症状により検査を行ってみました。その臨床症状とは
- いつもの風邪と症状の出現パターンが違う。例えばそれぞれ患者により違いますが,いつもは喉→咳→鼻水などというパターンが,突然鼻水が始まったとか,いつもはない頭痛が出てきたとの訴え。
- 実際に検温して発熱はないとしても,何だか熱っぽい。身体がワサワサしている。頭の中がふぉわ〜んとしている。全身の皮膚が何だかピリピリするよう…。
- いつもの風邪の時となんか違うって感じた場合。
であり,結果は23名の方で陽性が確認できました。
今回実際にこのような結果を確認し,外来で私は患者さんへの注意としては,
『インフルエンザのシーズンになったら,まず発熱があったらもちろんすぐに受診すること。仮に発熱がなくても上記の①~③の症状があるような場合,一日様子を見て翌日も症状が続くなら直ちに受診すること』と話しております。
つまり皆さんに覚えておいていただきたいのは,インフルエンザは必ず高熱を伴うとは限りません。実際,私の印象では昨季の季節インフルエンザの場合は発熱があるのは1人/4人くらいであり,主症状は鼻水だと感じました。
今季の主症状???んんん・・・,頭痛と鼻水かな・・・?2. インフルエンザの簡易検査の意味はインフルエンザに罹患しているのを確認する目的で行うものであり。「インフルエンザかインフルエンザでないかを調べるものではありません。
患者さんたちが誤解している今ひとつは簡易検査が絶対であると信じていることです。
簡易検査の説明書にも記載されています「診断は簡易検査の結果を踏まえて医師が診断する」とあります。私自身はそれに基づき,陰性であっても投薬することはしばしばあります。また,検査は「発熱後12時間以上しなければ陽性に出ない」と,よく言われております。しかし,1.でもお書きしたように,発熱がなくても検査の意味はあると思います。休日診療所など受診した時,前述の症状があったらこちらから検査を申し出てください。たいていの先生たちは熱がないと検査はしません。
患者さんたちがしばしば「インフルエンザでないという証明書を書いてくれ」と申し出られることがあります。ここで書いているように,検査陽性はインフルエンザに間違いありませんが,陰性だからといってインフルエンザでないということは言えません。患者さんたちはそこが十分に理解できておらずトラブルが起こることもあります。私はそんな場合,「簡易検査の結果陰性でした」という診断書を作成してお茶を濁しています。3. インフルエンザの治療薬はいずれも劇的に効果があり,通常使用後二日目には症状は著明に改善します。
私自身がこのようにインフルエンザについて申し上げているのは,治療薬の効果が劇的であるがためです。実際に診療にあたり,検査陰性で抗インフルエンザ薬を投与した場合,私は温度表(朝・夕2回定時での検温)の作成を指示し,先ず二日目にその票を持参し来院を指示し,臨床症状の改善と温度表での解熱の確認をしております。実際に陰性の症例の中にはインフルエンザでなかったかもしれない症例ももちろん含まれているかと思います。
以上,私がここ数年特に市井の一医師として外来で診療を行っている時につくづく感じていることを文章としてしたためました。患者さんのみならず,厚労省・医師会には『インフルエンザは高熱が必発!』というような都市伝説まがいの情報がいまだに報道を通じてまで流布されている状況に警鐘を鳴らしたく思っている今日この頃です。