markdadaoの日記

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「東日本大震災に想う」桑原茂PG

地区大会の前日は国際ロータリー会長代理の歓迎晩餐会が開催される。その日の午後は「地区指導者育成セミナー」が恒例的に開催され、国際ロータリー会長代理のRI2520地区の桑原茂PGによる「東日本大震災に想う」と題し記念講演が行われた。
冒頭「このような題目での講演は慎んでいた」が、と断りがあったが同期のガバナー曽我研修委員長の手前お受けされたようである。1年7カ月経った今日も心が痛くなる内容であった。

今日と同じように九州で会長代理による会員大会出席の為仙台空港から飛び立ち、現地で震災を知った。家族も会社も友人にも連絡が取れず辛い思いをした。ロータリーアンのおかげでレンタカーと燃料を確保していただき、朝の4時に故郷へ戻った。家族と抱きしめ合い、そのまますぐに会社へ向かった。
数日後スーパーマーケットのガラスを割り、離乳食かミルクを盗む若いお母さんを目撃した。避難所では3日経っておにぎり1個を3人で分かち合う状態で、赤ん坊へのミルクなどの配給はない。その若いお母さんの気持が理解できる。
自分の会社へ霊柩車がやってきた。中を開けると物資が入っていた。実は霊柩車は交通制限を受けず、いち早く現地へ入ることを知っていた、あるロータリークラブからの知恵であった。
流されてきた赤いランドセルと祝儀袋を見て、発想したランドセル運動。中古のランドセルが約4,000個激励文を添えて日本中から集まった。その激励文には子供達が被災された子供たちへ書き綴ったもので、心配してくれる多くの友達がいることを知る、子供達の心のケアにもなった。
自然の脅威を受け、生きているのではなく、生かされていることを強く感じさせられた。クラブ奉仕とはロータリアンがクラブの為に協力する「義務」をここでは奉仕という。現地ロータリアンは地域の奉仕活動をやってはいるが、自分達の生活や自分の会社を助けて欲しいと、なかなか手を挙げることが事が出来ない。ロータリアンの同士達が困っている、是非助けて欲しい。
震災復興で一番やらなければならないことは、働く場を作ること。企業の復旧・復興をさせなければならない。そして地元の多くの企業主はロータリアンである。
事業の復興支援として、牛の貸出やMGでの海苔だなの設置などがあり、一緒に活動をした一般の方々が落ち着いてきて、ロータリーへ入会された。通常ロータリーへ「入ってください」だが「入れてください」は、素晴らしい奉仕活動の賜物で、新聞やテレビも黙って報道をしてくれる。
今はまだ「ロータリーどころではない」と考える会員がいる。奥さんや子供さんが流されて、私達は何も言えない。
地元の人たちは、皆この地に残りたいと考えている。祖先の言いつけを守り、村八分にながらも高台に住んでいた方が、今は皆が頼って来ている。「祖先の言いつけを守っていてよかった」との感想。

「ロータリーの奉仕はロータリアン以外が対象との定説がある」が、仲間が困っている時に見ぬふりして他へ奉仕することを私は出来ない。このことは昨年の日本中のロータリアンが一人1万円の見舞金を、すぐに被災ロータリアンに渡さず躊躇した事への憤りを思い出す。
これからは、被災されたロータリアンの企業への積極的な復興支援が必要。企業が反映すれば就労先が拡大でき、街の人たちの定住条件が確保できる。