markdadaoの日記

真空管アンプ用トランス、スマホ用衝撃吸収フィルム、RC、政治経済、読後感想など

官僚改革

ロータリークラブの例会で先輩のSさんが卓話を行った。
小沢一郎政治資金規制法違反による裁判が行われ、無罪判決後、検察官役の指定弁護士は、判決を不服として東京高裁控訴した。このテーマからSさんは会員へ質問する。小沢一郎の無罪判決を支持したのは40名弱の会員の中で、私を含めたった3名であった。ほとんどが有罪若しくは不明である。

マスコミでは日刊ゲンダイ以外ほとんどが反小沢である。99%のジャーナリストが小沢バッシングしているのは異常である。一般社会及び国会議員の中でも、過半数ではあるだろうが99%ではない。このような嫌疑を、小沢以外の議員に対してはこんな反応はしないだろう。
これには理由があるのだろう。小沢の国家観や歴史観などでは特に秀でたものが無いが、こと官僚改革には彼の信条が10年かけ貫かれている。この官僚改革を財務省が中心となり、小沢を政治界のリーダーにはさせたくないのだろう。従って官僚の動きに対しマスコミはマイナスな記事は絶対に書かない。財務省内の国税庁を敵に回す程のマスコミはいないと考える。
民主主義の世界でこれは異常と見るべきだろう。賛否両論があり、少数意見も尊重されるのが真の民主主義と考えれば、日本は危機的状況であろう。

次にテーマは消費税増税に移る。

マスコミの100%が消費税増税賛成というのもあり得ない話である。今は東日本震災復興やデフレ脱却に集中しなければならない時なのに。日本ではGDPがこの20年間500兆円前後で、一向に増えていない。リーマンショック以後の世界は各国ともGDPが伸び悩み、デフレ脱却の為通貨供給(マネーサプライ)をかなりな額で増やしている。しかし日本では日銀のバランスの論理で2割程度しか増やしていない。従って他国と比べ円高は必然的である。
日本での1兆円の赤字が話題となっているが、財政赤字を埋めている国債は600兆円弱である。そして400〜500兆円の資産がありかろうじてバランスは取れている。しかも国債発行額の95%は日本国民が保有しており、残りの5%の外国人保有分が売られても大したことにはならない。
野田首相は「デフレ時での増税で景気浮揚する」と言っているがその根拠が信じられない。日本はGDPが下がることが本当は怖いのである。

卓話が終わり、大先輩から「ロータリアンは政治の話はご法度、例会で話をすることは選挙運動になる」との指摘があったが、私の知る限りでは「様々な考え、信条を持つ集団で構成するロータリアンだから、政治や宗教の話には配慮し多様性を尊重する」と理解していた。S先輩の卓話の論点は「民主主義社会の中で賛否両論が無く、99%や100%の偏った意見が大勢をもつことは異常である」とシグナルを投げかけていると理解していた。
大久保利通が官僚機構に『省』と名付けたのは、『かえりみる・はぶく』等の意味を持ち、将来官僚が権力を持ち肥大することを警鐘した」と確か彼の伝記に書かれていたことを思い出す。明治初頭期、戦後の復興及び成長期における官僚の活躍が今の日本を作ったと考える。しかし昨今の官僚の意図は日本の未来や国民に目が向いていないのではと感じることが多い。社会保険庁年金問題や誰も入らない建造物など、未来を想定すれば我々素人でも考えられない事をやってきている。
以前、小沢一郎羽田孜自民党を飛び出し、官僚改革を唱えていた。
これからの時代、官僚の書いた原稿を棒読みする国会議員の中で、誰が官僚改革を推進できるのだろう。