markdadaoの日記

真空管アンプ用トランス、スマホ用衝撃吸収フィルム、RC、政治経済、読後感想など

伝記を読んで電気を考える

25年前小島直記著の「まかり通る」を読んだ。電力の鬼・松永安佐ェ門の伝記小説である。日本の九電力体制の基礎を作った人であり、95歳で世を去るまでの波乱万丈な人生を一気に読んだ記憶がある。
しかし、今の電力会社は松永安佐ェ門の苦労を食いつぶてきた感がある。ほぼ独占事業として、ユーザーの選択権なしに値上げをして自企業の資金バランスをとる安易な経営者達と思える。

電電公社国鉄を分割させ、業界を成長させ消費者を潤す自由主義方法が電力事業にも適用できないものか?せめて発電と送電の事業分離や、政治が第二電力企業を育てることをしないと日本の企業や家庭のコストに影響が出てくる。ロシアからガスのパイプラインを直結し、ガスタービンで発電する民間企業を育成するとか出来ないものか?

そもそもGHQと交渉した9分割は、当時水力発電が主体で水系や河川を元にブロック化したのではないだろうか?しかし今は石油を主とする火力発電や原子力発電では港湾がそばにあればどこでも設置できる。周波数の統合も震災から1年たったが実現されていない。熱さものど元過ぎれば忘れ、電力融通計画は頓挫したわけである。

値上げした分の電気代を払わなければ、電力会社は公益性を武器に電気を本気で止めるのであろうか?
そもそも電気料の請求書も納得しづらい。契約アンペアによる基本料金、三段階料金制度それぞれをスライドではなく、誰かが決めた段階性になっているので、ある数値が過ぎると急に値が上がる。そして太陽光発電の余剰電力の買い取りに要した費用を、太陽光発電をしていないところからも全員徴収する。更に燃料サーチャージ制度も取ってリスクを逃れている。一般企業は為替や相場リスクと戦って仕事をしているが、彼らは全てユーザーにリスクを負わせている。
これ以上文句を言ってPCや灯りの電灯料金を支払うのも本末転倒となり、不満のはけ口のない庶民は消灯して寝ます。