markdadaoの日記

真空管アンプ用トランス、スマホ用衝撃吸収フィルム、RC、政治経済、読後感想など

奉仕の実感がない

友人のロータリアンであるS君より、仲間を集めるので話に来てくれとのこと。S君の所属しているロータリークラブの若手メンバーが10人ほど集まり、夕食を摂りながらロータリーを勉強する。テーマは「ロータリー財団の資金の活用の仕方」であった。
依頼されてからパワーポイントで準備を始めていたが、どうも的が絞れなかった。2,3度S君に電話をしてテーマの絞り込みを行った。ロータリー財団の「未来の夢計画」が2013年から始まるのでその資金活用方法か?、またはどのような方法で事業を行うことができるのか?、はたまた申請資料の書き方なのか?わからなかった。やむ負えず、それら3つの案件に対応できるようにと準備していった。
夕方6時半から話し合いが始まった。的外れな話をして、せっかく勉強をしようとしている参加者の心に水を差すことは避けなければならなかった。そこで、一人ひとり自己紹介を兼ねて、それぞれのロータリーの関心事を端的に話をいただいた。
新会員からは、「ロータリー財団についてお金を集めることは知っているのだが、使われ方を知らない。」
中堅会員からは、「財団基金が戻ってくることは知っているのだが、使われ方は知らない。」「ロータリー財団の仕組みがわからない」「使おうと思っても、そんなものには使えないと言われそうだ。」「今まで内のクラブでは一度も使ったことはない。」「国際奉仕を一度やったら、皆から非難を受けた。」「具体的な事業案があるのだが、実現するにはどうしたらよいかわからないので、一人でやっている。」

最後の会員がとてもショックなことを発言した。「ロータリーは奉仕の団体だと言っていたが、自分達にはその実感がない。」
この言葉を聞いて、パワーポイントで説明することを止めた。ホワイトボードがあったので、引き出してきて書きなぐりながら話を進めた。ロータリー財団の話し以前に、ロータリークラブの綱領を具現化するために、方法は自分またはクラブ独自で考えて実践することを強調。自分たちで考え、自分たちで実践し、自分達のロータリーをやること。そこに自己実現の欲求がある。本音でロータリーをやろう。隣の人がいくら寄付をしたから自分も同額をするのではなく、自分の心に聞いて寄付をする。
ロータリーの長い歴史の中で、現在は大きな変化の中にある。ロータリーを自分のものにするために、ロータリー財団の資金管理を地区に委ね、自分達の寄付金は自分達の意思決定で世の中に役立つように使えるようになった。ロータリーのポリオ撲滅活動など、プライドを持って世間に知らしめ、協力者を仰ごうと、公共イメージアップを意図的に始めた。地域社会の行政の手からこぼれた問題点を、いろいろな職業を司っている会員の目で発見し、手を差し伸べる。そしてロータリアン以外の人たちにも助けてもらい、数年後にはその主体を共感している人たちへ移管する。そして更に地域の問題点を発見するスパイラルを構築する。そのためにロータリーは将来を戦略的に計画し始めている。自分達のロータリーの成功や達成感から会員拡大が自発的に生まれる。今日のように自主的に集まって勉強会をする仕掛けとして、RLIが生まれた。だから皆で語り合い学ぼう。

皆に理解してもらえるように一生懸命話をしていたら、1時間半があっという間に過ぎてしまった。最後に「自分のロータリーをやってください。古参の会員から非難を受けたら、その人を味方にしてください。(非難はエネルギーであり、関心があることだから)」