markdadaoの日記

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増値税(消費税)の切り下げ

中国で来年1月1日から全国に先駆け、上海市がモデルケースとして、現行増値税17%から11%に下げるニュース(サービス産業から実験的に)が上海の友人K君から入ってきた。ついでに営業税13%から6%(推定)も下げる。これは不動産バブル破裂寸前の危機感と、中国企業の景気低迷の立て直しが狙いではないか?

また、以下は最近中国から日本に戻ってきた、日本企業に勤める中国人ビジネスマンからの情報。

中古住宅はすでに価格が暴落しているが、新規住宅の価格が下がっていない。新規構造住宅の入居者が少ないので、価格を3分の1に思い切って下げたら、住居者からの大クレームで社会問題となった。大家さんは下げるに下げられない状態である。

企業振興の名目で国から各銀行へ融資が促進されていた。そこで中堅企業などが融資を受けるのだが、持って行き場がないので多くの企業は不動産投資へシフトした。しかし賃貸マンションなどで家賃の滞りが出たり入居者が集まらず、不動産投資への採算性が悪化している。世界的景気の後退で本業も良くならず、不動産収入の資金繰りが悪化している。金融機関への返済が思うに任せない。そこで数千人規模の会社の社長も国外へ逃亡を始めている。経営者の中には自殺者も出てきた。

国はインフレ(バブル)を警戒し金融引き締めを固持している。そこで歳入の3割以上となる消費税に似た増値税に手をつけ、切り下げ、国内経済の立て直しと海外からの受注を呼び戻そうとしているのかもしれない。しかし日、欧米ともに景気が低迷しているため、どこまで受注が回復するかは不透明である。

増値税の開始は、数か月遡って施行されたことを記憶している。しかし今回は2カ月後となる。折しもタイの大洪水により自動車産業の1極集中の反省から、業界はカントリーリスク分散を経営戦略として検討している。その矢先での中国の発表は何か中国のしたたかさを感じる。特に上海はフォルクスワーゲンなどの自動車工場の拠点でもある。
中国企業の本決算はすべて12月31日であるから、1月1日からの新年度開始はいろいろとタイミングも良い。また17%から11%への切り下げは、利益を約35%押し上げることが出来る。最近弊社中国協力企業から人件費、素材の高騰による値上げ幅が約1割あったが、彼らはこの増値税軽減で利益が確保できるだろう。