markdadaoの日記

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フィリピンと日本の海外労働者問題

今晩は外国人実習生の組合の理事会が開催された。月末の総会に向けての準備をすすめ、一通り終わってから以下は雑談で。

私達の組合の送り出し国はフィリピンと新たにベトナムが追加された。外国人実習生 - markdadaoの日記でも書いたように、JITCO(財団法人国際研修協力機構)の法務、外務、厚生労働、経済産業、国土交通の五省が管理監督した財団法人が管理監督している。従前は研修生は労働者でないのだから労働をさせたり、残業をさせるなんてもってのほかと言っていたが、その監督省の一つが外国人研修生は労働者であると考え方を変え、日本人と同様に最低賃金を守り社会保険や納税を推奨し始めた。
フィリピンは海外労働者派遣国としては実績があり、受け入れる日本の監督官庁が労働者として認定したので、送り出し担当局はTESDA(フィリピン労働雇用省技術教育技能教育庁)からPOEA(フィリピン海外雇用庁)に変えるとして呼応した。そのPOEAの出先機関であるPOLOフィリピン海外労働事務所)は在東京フィリピン大使館内にある。そして私達1次受け入れ機関は直接在東京フィリピン大使館内にあるPOLO担当者と交渉をしなければならなくなった。
そこで年会費を徴収しているJITCOへ対応を依頼すると、「フィリピンだけはJITCOを相手にしてくれないので、送り出し国を変えてくれれば対応する」と弁明する。POLO側に話を聞くと「JITCOは日本国政府の正式な機関ではないので相手にしない」とのこと。
従って、JITCOが印象を悪くしないように1次受け入れ機関は会費を納め、交渉はJITCOの手を借りれずに独自で行うこととなった。そしてPOLOからいろいろな条件を突きつけられ、それが完全に、または担当者の気に召さなければ実習生を送り出してくれない。但し、本国の偉い議員さん等の声にはすぐに従うようだ。

労働者となった外国人実習生が健康保険に加入するため、以前はJITCOがケアーしていた研修生保険を徴収できなくなったので(?)万が一病気となった時、医療費の30%の自己負担分をカバーするという信じられない保険システムを生み出した。民間では考えれれない発想で、1次、2次受け入れ機関及び実習生のニーズを考えず、高額で独占的な仕組みをもって、表向き断れない保険制度を施行した。しかし昨年来財団法人などにメスを入れた民主党の政策で、最近民間のVIVAと言う保険が半値以下で補償を始めた。
フィリピンの国の機関であるPOLOも、一人年間US$55を受け入れ企業に請求をする。支払わなければ実習生は送り出さないとしている。OFW(フィリピン人海外労働者)は年間約800万人を送り出していると言われ、保険料収入は年間4億4千万ドル(約343億円)となり、これは死亡だけが保険支払い対象となる。その満額が一人約80万円弱であるので、どのくらいの収入があるか計算すると唖然となる。
このようなことを知ると、海外で働く労働者を商品として、関係官庁が収入を得ていると勘ぐってしまう。海外労働者と受け入れ企業の利点を考慮した、ルールを打ち出すことが出来ないものか?