markdadaoの日記

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ドイツのエネルギー政策


昨晩、エカート君の宿泊先である磯部温泉で夕食を共にする。1年ぶりでいろいろな話に明けくれたが、私がぜひ聞きたかった、彼らドイツ人の原発事故に対する考え方であった。なぜなら福島原発事故の日から1週間も経たないうちに、ドイツ企業の本社から帰国命令が出て、ドイツ人のスタッフが着の身着のままで日本を後にしたこと。それから国民の総意で国内にある原発を止めてしまったこと。そのため電気料金の値上げで大変である、とのことが記事になったいたので、それらを負担してでも止めるという決断をした国民の一人としてその考えを聞きたかった。
以下は彼の意見である。

福島の原発事故前から、原発を止める動きはすでにあった。1970年代のオイルショックより、石油以外にロシアから天然ガスの調達を始め、現在はガスと石油の比重はそれぞれ40%強となっている。ロシアからバルト海を経てダイレクトのパイプライン「ノルド・ストリーム」が来年には完成予定だそうだ。ガスは他のエネルギーコストと比べ、原発よりも安く環境にも良い。
この計画は元プーチン大統領が締結したそうだ。彼はKGBのオフィサーの頃大統領のシークレットサービスとしてドイツを訪れており、また彼はドイツ語に堪能である。因みにヨーロッパの首長は誰もドイツ語が話せないが、プーチンだけは別であった。ロシアは石油とガスのエネルギー資源と自然の産物(魚など)があり、ドイツは工場生産物があり、それぞれが補完できるので、現在は良いパートナーシップ関係にある。
原発を止めて、エネルギーを隣国から購入したという話は誤解がある。原発のストレステストをした1時期だけ隣国から電力を輸入した。それは輸入した方がコストが安かったからである。しかし電力余剰の際は無償で隣国に通電している。そればドイツ国民が基本費用を負担しての輸出である。驚くことに、世界のソーラー市場で約6割がドイツ国で消費されている。最近は各国がソーラーを見直してきているため、その比率は減少してきたが。国が2万ユーローで各家庭にソーラー発電を推奨し、毎月返済している。
日本では自然は友達であり、時に友達ではなくなる。しかしドイツでは自然は友達である。従って恐れるものがないので、恐れるものを作る傾向があり、それが原発事故であったりした。