markdadaoの日記

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京町家の紫織庵を訪れて

娘夫婦の近所に町家を有料で見せてくれるところがある。日曜日の午前中まだ日差しが強いなか日陰づたいに、徒歩で5分のところにある吉田家の「無名舎」へ着く。格子戸が閉まり、声をかけたが誰も出てこない。ネット上には定休日は不定期とのこと。

そこから1,2分先に川崎家の「紫織庵」浴衣、大正友禅、長襦袢など、京のじゅばん&町家の美術館 紫織庵がある。閉まった格子戸超しから、草取りをしている人に声をかける。許可を得て中に入る。玄関入り口の右側に洋間がある。ここは外壁が大谷石のタイル貼りとなっている。

その右手奥に茶室がある。玄関を戻り右手に当時から入れてある波打つガラス戸越しに中庭を見て、右手奥に2部屋続きの和室がある。

ここの和室の鴨居は有名な方が作られたそうだ。なだらかな山の稜線に松が数本掘られている。

窓が開かれ、簾が暑さをしのいでいる。その窓の下へ蚊取り線香が焚かれている。その和室奥にも中庭がある。楓越し向こうに倉が見える。右手には井戸があり、左手には燈篭がある。

その燈篭の根元にキリストの像が掘られており、先祖が熱心な信者だったそうだ。その奥に黒と白の石が配列され、黒は亀、白は鶴と商人だった先祖が縁起を担いでいた。

庭職人が土足のまま中庭に入れるようにトンネルが掘られた上を渡り、土蔵を覗く。手前の土蔵は小さいが奥は大きく、見学者も2階へ上がれるようになっている。この土蔵の1階に大正友禅が陳列してある。裏地や長襦袢、肩裏のおしゃれの絵図として、大正当時「玉乗りピエロ・飛行機・トランプ・アイラブニューヨーク・世界一周・オペラ座の喜劇・外国航路・フランス人形・サーカス」等、古典模様を一新したデザインが使われていたことに驚く。

母屋の2階に上がると、右手に1階より大きめの洋間がありグランドピアノとマントルピースが置かれていた。右手奥は和室、左手は子供部屋となっており、その庭に面した廊下から、1階の洋間の上のテラスへ渡り廊下がある。この紫織庵に面した通りは山鉾巡行ルートの為、その時節はこのテラスから山鉾を見学するそうだ。

ここの所有者である川崎家は絹織物の製造販売する丸栄株式会社で、絹製品の即売展示されていたが、無粋な私は詫びを告げ退去した。