markdadaoの日記

真空管アンプ用トランス、スマホ用衝撃吸収フィルム、RC、政治経済、読後感想など

急がば回れ

鹿児島から集団就職し、昭和45年にプレス機械を入手し独立した。分に応じた経営姿勢を貫き、今も無借金で立派に経営をされていた。
本日、試作の依頼に訪問をした先での、経営者ご本人からのお話を伺った。
どんな大手の客先の要請でも、自社のノウハウを盗まれないため工場内には入れさせず、金型も費用は受け取るが、客先に渡すならば使えないようにして渡すという契約で受注を受けていた。徹底した自己保全ではあるが、それは一部の客先のモラルがないために、身を守らざるえなかったのであろう。
このような条件下で受注を取るのにご苦労をされただろうが、急がば回れではないが堅実な経営が出来る。
私は受注を継続して取る欲のために、一部上場のお客様が製造品質の確認と称して製造ノウハウをコピーさせ、数ヵ月後受注が止まった経験がある。
この経営者は工夫に工夫を重ね、製品の品質を高め、また社内の各工程にも良いと思う事はすぐ実行に移し改善をされている。
私は父親の姿を見て、町工場の親父にはなりたくないと海外に目を向け飛びまわっていた。しかしこの経営者は地道に自分の歩くべき道を辿り、今があるのだと尊敬の念を感じ得ずにはいられなかった。
今日は同行をした息子に、生きた勉強をさせてもらった。