markdadaoの日記

真空管アンプ用トランス、スマホ用衝撃吸収フィルム、RC、政治経済、読後感想など

通夜


親戚のお通夜に静岡の沼津へ出向く。喪主の挨拶に故人は92歳の大往生であった。誰一人涙する者を見ない。親族は式をつつがなく進行させ、参列者はお互い久し振りの再会に事が進む。
式の全てが終わり、司会の呼びかけで数人が棺の窓越しにお別れをする。傍れで初老の男性一人、暫らくの間こうべを垂れ手を合わせていた。
人と人との関係は、当事者同士ではないと本当のことはわからない。しかし、別れに際し手を合わせるその姿から、故人の徳の深さを想像せずにはいられなかった。
夫を早く亡くし、女手一つで事業を盛り立てた成功者である。凛とした厳しさの印象があり、近づき難い人ではあったが、通夜に際し他の一面を知ることが出来た。