markdadaoの日記

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保坂展人前衆議院議員の問題定義


品木ダムの下流水域でヒ素が検出されていることを、国土交通省は認識していたが公表はされていない。すでに57年前に八ッ場ダム建設の話が持ち上がった時、現地はこの問題で反対をしていた。
1964年に日本で初めて水を貯めるのではなく中和するダムとして品木ダムが建設された。この品木ダムは100年計画であったが、すでに25年目で飽和状態となり一番深くても4mであった。これは年間4万トンが中和した石膏以外に土砂も一緒にたまった結果である。しかし国交省は「山から石灰を持ってきて、中和し浚渫した土砂をまた山に戻すという、究極のリサイクルだ」と言っている。
上智大学理工学部の木川田喜一博士が、1960年代から調査をして1966年湯川の中でヒ素を発見している。八ッ場ダムを造ると更にヒ素が溜まる。2008年の国交省の調査では1kg当たり5gのヒ素が資料に記載されている。そこで国交省はこの堆積物の再利用にセメント等を研究しているのだが、ヒ素の量が多すぎて製品化できない。
問題は浚渫した土砂が野積み状態になっている。汚染水が地下浸透や河川に流れだすので、産業廃棄物扱いでは駄目で管理型処分場として管理しなければならない。しかし国交省はその汚染水が川に流れ込めば、いずれ品木ダムに戻るのだから問題ないと言っている。
国交省のダム管理責任者にこれは問題だと問えば、もうじき定年だからと言って開き直る。このヒ素を含んだ水脈は水力発電のために前橋へ流れ、そのあと広瀬川にそそいでいる。
八ッ場ダムの本体工事が止まったが、橋梁工事はそのまま継続されている。4本作られており、最後の一本が約51億円と言われている。ヒ素を止めるための八ッ場ダムであっていいのか?
庶民は「知らなくていい」という社会が、江戸時代より綿々と続いている。いまだ政権が交代しても官僚の考えは同じである。そして国交省河川局が自らは発表しようとしない。中和ダムで貯めてしまったことに問題がある。本来はそのまま流せば希釈され問題にはならない。
すべてはお上が決めるのではなく、皆で知恵を出して良いほうへ変えて行こう。


以上が保坂前衆議院議員の問題定義であった。八ッ場ダムを造るとまたその沈殿による公害が発生する。そして公害のない中和方法を考えなければならないのかと。昔死の川と言われた吾妻川を、中和することで川を生き返らせた先人。現在はその中和した汚泥物とヒ素で悩まされている。自然に流しておけば下流では希釈され問題が無かったと、人間の浅はかな知恵が露呈した結果である。