markdadaoの日記

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アジアの平和バランス

先日の櫻井よしこ先生の影響で「東アジア共同体」が気になっていた。
昨日の産経新聞に訪米中のシンガポールリー・クアンユー顧問相が、鳩山由紀夫首相の掲げる「東アジア共同体」構想について、「米国が重要な役割を果たすべきだ」と講演したことが以下の通り記載されていた。

 鳩山首相は、タイで開かれた東南アジア諸国連合ASEAN)の関連会合で、「米国もどの国も排除するつもりはない」として、同構想への米国の参加を消極的ながら認めた。これに対し、「アジアの御意見番」と呼ばれるリー氏は、地域構想からの米国の排除は「重大な誤りだ」と厳しく指摘した。
 リー氏は、中国が金融・経済分野で実力をつけたことで、さきの国慶節(10月1日)で誇示した軍事力の急速な近代化も「向こう20〜30年は続く」と分析。今後登場する航空母艦を備えた中国の外洋型海軍は、「中台間の紛争に対する外国の関与を阻むだけではない」として、日米、インドなどの周辺国は警戒すべきだと訴えた。
 さらに、「中国は中国のままであり、他の新興諸国のように、西欧の名誉あるメンバーとなることを望んではいない」と発言。国際システムを運営するための「対等な役割」を果たすことについても、「中国はその用意も意志もない」と、指摘した。
 その上でリー氏は、米国がASEANの基本条約である東南アジア友好協力条約(TAC)に調印するなど、地域関与を強めていることを高く評価し、地域バランスを維持する上で米国の関与を求めた。
 今後の地域情勢として、リー氏は日本、インドなどアジアの近隣諸国が、いずれも中国に対抗できなくなるとみている。リー氏は首相在任当時から、東アジアの安定には「日米中3カ国のバランスが重要だ」と主張してきた。今回の講演もその延長線上にあるが、中国の台頭を強調する一方で、日本の役割には踏み込んだ言及を避けるなど、相対的に日本への期待が低下したとの認識をにじませた。


もともと世界の平和はパワーバランスの上に成り立ってきた歴史がある。そのパワーとは武力と経済で、その打算の中で培われてきた。リー氏が求めていた日米中3カ国バランスからの変更は、日本の政治外交観のづれと客観的なGDP計算による中国の成長に負けている日本に対し、米中バランスでアジアの平和バランスを選択せざる得ないところにあるのだろう。
驚くべきは一般的なGDPランキングではアメリカが約14兆ドルで、次に日本の5兆ドル弱で2位となっているが、客観的なデーターとして国際通貨基金のデーターではアメリカが14兆ドルで1位と変わらないが、2位は中国が7兆ドル、日本は3位で4兆ドルとなっている。